賃貸ではなく売却がお得!原状回復費用の請求について
賃貸で不動産物件を貸し出すとなると、現状回復が大きなテーマになります。もしも損傷が激しい場合には、住んでいた方に対して現状回復費用を請求できることになります。しかし、そんなに単純なものではありません。
こちらでは、賃貸ではなく売却がおすすめという理由の一つとして現状回復費用の請求をテーマにお話します。
■必ずしも現状回復費用を請求できるわけではない
・経年劣化の費用は請求できない
そもそも、物件は時間が経てば立つほど劣化していきます。壁紙なども汚れていきますし、フローリングなどにも傷がついていってしまうのです。
特に水周りの劣化は激しい、といった印象がありますよね。
多くの方が勘違いしているのが、部屋に出来た損傷などの全ての補修代金を住んでいた方に請求できる、という部分です。実は、部屋にできてしまった損傷などの補修代金ですが、著しい場合のみに限定されています。
要は、一般的な生活でついた傷などの補修費用は請求できない、といった決まりになっているのです。そもそも、経年劣化についてはしかたがないものと判断されており、新しい方に貸す場合には、自分で費用を出して補修しなければなりません。
賃貸物件を経営するとなると、住んでいる方が変わるたびに補修費用を少しでも出す、といった状況になりかねないわけです。
■実際に裁判にもなっている!
・現状回復の特約が否認されたケースあり
敷金の大部分が住宅復旧費として利用され、敷金が少ししか返ってこなかった、ということで裁判になった事例があります。
通常消耗分についての負担が借り主にある、というのはおかしい、ということで起こった裁判だったのですが、実際に裁判所によって現状回復の費用に関しては、通常のものであれば借り主は支払わなくて良い、と判断されたのです。
貸し出したほうが現状回復費用の基本的なものは支払うべき、と決まりました。ただし、特約がしっかりと理解されたうえで結ばれた場合については、その限りではない、といった判決の趣旨がでているのです。
基本的には現状回復費用は貸主が負担する、と考えて問題ありません。一方で、借り主が理解したうえで特約が付けられている場合には、場合によっては通常の劣化でも借り主が負担する可能性がある、ということを示しているのです。
しかし、全国的に敷金は返金される流れとなってきており、賃貸経営は難しくなっています。